
フランス、リモージュで誕生した磁器ブランド、ベルナルドは、美しい色柄のテーブルウェアを生産するのみならず、アートオブジェやインテリアアイテム、そして異業種とのコラボレーションを行うなど、磁器の新たな可能性を追求し続け、今年で創業160年を迎えます。
今回は、2022年12月に東京・青山にてオープンした、日本初の旗艦店にて、その魅力を伺ってきました。
リモージュの魅力をより身近に

2022年12月にオープンした、ベルナルドの旗艦店は、パリ・ニューヨークに続いて3店舗目の出店とのこと。
これまでも日本ではホテルやレストランに食器を提供してきたそうですが、個人の方にもより幅広いラインナップを知っていただき、ベルナルドの魅力を伝えられるよう、旗艦店をオープンさせたそうです。
百貨店にはないラインナップと、温かみのあるウッドを基調としたインテリア空間は、ショップに来る方だけでなく、通りがかりに立ち寄る方も入りやすい雰囲気となっておりました。

店内で目を引くのが、エナメルのプレートが並んだ壁面装飾。
リモージュの伝統的な技法であるエナメル技術へのオマージュとして、旗艦店共通のデザインとなっているそうです。
ベルナルドの商品は、現在でもリモージュで100%作られ、リモージュの土地に根ざしたものづくりへのこだわりを感じられます。
また、歴史的にも磁器の世界では、良質な木と水が非常に重要とされており、ウッドを基調とした温かみのある店舗のデザインはそうしたストーリーから生まれているとのことでした。

店内には、テーブルウェアのほか、インテリア関連商品も展示されています。
インテリアのアイテムとして人気のあるキャンドルホルダー「リトファニー」は、美しい素焼きの彫刻が特徴で、職人の高い技術を手にとってご覧いただけます。
LEDライトのタイプもあり、ギフトとしても人気が高いそうです。
確かな技術に裏打ちされたベルナルドのアイテム

ベルナルドでは、アーティストとのコラボレーションをはじめ、異業種との取り組みで磁器の可能性を常に追求しているのもブランドの特徴の一つだそうです。
その一つが、「マルク・シャガール・コレクション」で、シャガールの孫娘からの提案により実現したコレクションとのことです。
パリのオペラ座の天井画をプレートにした作品は、ベルナルドの豊かな色彩表現によって再現されているそうです。

アーティストからのリクエストは数多く寄せられるそうですが、「磁器の可能性を追求する」という本質にも度づいた視点を大切にしているとのこと。
それは、例えばジェフ・クーンズのオブジェ(左上)はベルナルド独自である鏡面の釉薬を使って、また、これまでにない形状への研究により、風船の質感を磁器で作った点や、
ゲランのクリームケース(左下)では、高級感だけでなく、密閉性が高く、尚且つ繰り返し使えて環境に配慮するなど機能面も兼ね備えている点などにあげられるそうです。
培われてきた技術と新しい領域との掛け合わせは非常に新鮮で、ベルナルドならではの魅力といえるのではないでしょうか。
自由な発想で「ミックス&マッチ」を楽しむ

ベルナルドのテーブルウェアは、シンプルで上質なデザインから、トレンド感のある幾何学模様、自然にインスパイアされた絵柄など、様々なシリーズを展開されており、シリーズそれぞれにあるデザインのルーツやコンセプトをお伺いしながら器選びを楽しむことができます。
ホテルやレストランでも使われるテーブルウェアは、食器洗浄機も使うことができ、日常に取り入れることで食卓をより豊かに、華やかに彩ってくれるでしょう。
また、同じシリーズで揃えるのみならず、組み合わせて使う「ミックス&マッチ」を提案しているそうで、自由な発想で組み合わせを楽しむことができるのも特徴だそうです。
店舗のテーブルでは実際に「ミックス&マッチ」を体験することも可能。テーブルコーディネートの幅も広がり、合わせるお料理のインスピレーションも湧いてきそうです。

また、ベルナルドでは、テーブルウェアなどの商品を扱うのみならず、フランスの文化や時代背景、歴史などを学ぶ『アンスティテュート ベルナルド』を今年から開催中です。
ベルナルドの器に施されたデザインの美しさや釉薬の美しさ、絵柄の繊細さは、リアルに触れてこそ実感できるものばかりでした。
ぜひショップで、お気に入りの器を手に取ったり、「ミックス&マッチ」を楽しんだり、リモージュが誇るベルナルドのブランドが生み出す豊かな空間を体感されてはいかがでしょうか。

FSPJ ACADEMY ディレクター
宮代亮⼦(AKIKO MIYASHIRO)