カスタムメイドキッチンのCUCINA(クチーナ)は、「インテリアはキッチンから始まる」をコンセプトに、1937年の創業以来、一人ひとりの暮らしに寄り添い、理想の空間作りを提案されています。
今回は代官山のショールームにお伺いし、様々なニーズに合わせたこだわりの空間や、カスタムメイドキッチンの魅力について紐解いて行きたいと思います。
一人一人の理想にカスタマイズしたキッチン
クチーナの前身である森本家具装飾店は1937年に大阪にて創業され、主には店舗や企業向けのオーダー家具製造を行なっていたそうです。
創業者がミラノ・サローネでシステムキッチンに出会ったことをきっかけに、それまで家具作りで培ってきた技術とノウハウを活かし、1976年に日本初の国産部材型システムキッチンを発表されました。
受注から製造までを一貫して自社工場で行い、その方のライフスタイル、インテリアやデザインの好み、食生活など、様々なヒアリングしながら、空間レイアウトから材質、色、サイズ、設備機器などを実現したい暮らし方にカスタマイズしたキッチンを作り続けていらっしゃいます。
キッチンだけではなく、洗面やリビング、玄関周りやクローゼットなど、様々な空間に対応したトータルコーディネートも提案されており、新築の住宅のみならず、近年はリノベーションのオーダーへのニーズも高まっているそうです。
上質な暮らしのイメージが広がる〜代官山ショールーム
今回お伺いしたクチーナの代官山ショールームは、地下1階〜4階まで、様々なカラー&スタイルの空間が展示されていますので、その一部をご紹介いたします。
4階は別荘をコンセプトにしたアイランドキッチンが中心の空間で、ゆったりと非日常の時間を過ごしたり、ゲストを招いて、出張シェフの料理を楽しむようなライフスタイルを提案されています。
キッチンからつながるリビングに配置されたイタリア「Arketipo firenze」のソファと共に、トータルでデザインされたラグジュアリー な空間が広がっています。
ブロンズマットの金物や金属塗装の面材、そして艶消しの塗装(特にグレーやグレージュといったニュアンスカラー)のニーズが高まっており、ファッションやテーブルウェアのトレンドにも通じるものがあります。
金属やガラス、天然木の突き板や塗装など、異素材の組み合わせも人気があり、それはカスタムメイドだからこそ実現可能なのだそうです。
キッチンから繋がるリビングの造作棚も、キッチンのカウンターや扉と同じ天然木の突板で作られており、空間の一体感が生まれています。
また、造作棚の扉に見られるような、木目が綺麗に揃った仕上げは、職人の技術あってこその美しさであり、品質の高さが現れているといえるでしょう。
続いてご紹介いただいたのは3階のフロア。
木目を生かしてグレーに塗装された面材が、クールでモダンなイメージの空間を生み出しています。
キッチンカウンターの奥行きは、食事をいただくのにも十分なスペースを設け、天板の厚みも好みに合わせて作ることが可能だそうです。
冷蔵庫は、キャビネットと同じ奥行きのビルトインタイプ(海外製)を採用することで、収納棚から飛び出すことがなく収まり、またブラックステンレス仕上げの扉がインテリアのアクセントにもなっています。
近年おうち時間が増えたことで、冷凍庫スペースが容量の大きいタイプも需要が多くなっているとのことでした。
2階の展示では、マンションのリノベーションを想定しており、その1つはアイランドキッチンが主流な中でも、夫婦2人のご家庭をイメージして、あえてキッチンはミニマムすることで、リビングや他のスペースをゆったりと使える空間作りを提案しているそうです。
キッチンの天板は、薄いタイプも選ぶことができ、取手のついていない(ハンドルレス)キャビネットと同様に、無駄のないデザインの人気も高まっているとのことでした。
1階にも2つのキッチンがあり、一つは北欧モダン調で、ライトグレーの塗装とウッドの組み合わせに柔らかな温かみが感じられます。
もう一つの展示は邸宅をイメージしたLDK空間です。
主張しすぎない色目を抑えたキッチン、木とガラスの組み合わせがアクセントになっている収納棚、イタリアの家具ブランド「cattelan italia」のテーブル・チェアが調和し、細部までこだわって考えられた空間に仕上がっています。
またこのキッチンは、ショールームの中で唯一水回りや IH、オーブンの設備を使うことができ、実際にこちらで料理イベントや社内研修などを行うこともあるそうです。
今後は、このようにキッチンを実際に使って、その魅力に触れられる機会を増やしていきたいとのことでした。
クオーツストーンの高級感あふれる天板のアイランドキッチン。
キャビネットの手かけ部分は、壁面収納やダイニングテーブルと同じウォールナットの仕上げとなっており、デザインのアクセントになっています。
キャビネットの収納アクセサリーまでも用途に合わせてカスタマイズが可能で、特に天然木のカトラリートレイは開けた時に見える素材の質感が美しく、細部まで拘りを持つ方に選ばれているそうです。
選ぶ楽しさと使いやすさを形に
一つずつの作りはシンプルでありながら、組み合わせは何万通りにもなり、どんな空間にも合わせたカスタマイズが可能なクチーナのキッチン。
地下1階では、実際に見本を見ながら素材や色を選んで、コーディネートしていく打ち合わせスペースとなっています。
実際には面材の好みだけで決めるのではなく、床や壁材・建具などの建築情報とのバランスも非常に大切だそうで、お客様にはそうした情報もヒアリングしながら提案されているそうです。
逆に、キッチンを決めてから、他を決めていくという方もいらっしゃり、何度も足を運んで決める方も少なくないのだとか。
そのように作られたキッチンは、メンテナンスも自社で一貫して行っており、長く使い続けることができる点も魅力ですね。
お客さまの暮らし方に合わせて、そのニーズに向き合い、イメージに合わせた心地よい暮らしを実現する、クチーナの魅力に触れることができるショールームは全国に8ヶ所あります。
ご自宅の新築やリノベーションを検討されている方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した株式会社クチーナ様運営の「cattelan italia TOKYO」(目黒区鷹番)にて、11月30日にセミナーを開催させていただきます。
こちらのショールームでも使われているイタリアの家具ブランドの空間でテーブルスタイリングを学べる機会となっております。
皆様のご参加をお待ちしております。
FSPJ ACADEMY ディレクター
宮代亮⼦(AKIKO MIYASHIRO)