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2024.12.13

唯一無二のデザインで「驚きと感動を伝える器」を作る〜やま平窯〜

テーブルコーディネートEXPO2024でコーディネーターとのコラボレーション展示をされた、FSPJ ACADEMYパートナー企業様の紹介を連載しております。

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唯一無二の魅力的なデザインで、プロの料理人だけでなく、テーブルコーディネーターからも支持される器を作り続ける有田焼窯元「やま平窯」。
「驚きと感動を届ける器」をコンセプトに掲げるやま平窯の中でも、特に人気の2つのシリーズについてお伺いします。

業務用食器の垣根を越えて、他には無い器を目指す

やま平窯は戦後まもなく創業され、1972年に「やま平窯元」として法人化されました。

創業より作り続けてきた業務用食器ですが、近隣の量産型の窯元との差別化が難しいことから、「他にはないものを作って一定のファンに届くものを作ろう」とスタートしたのが、現在展開している様々な人気シリーズの始まりなのだそうです。

有田にあるGALLERY&SHOPの店内

当初はプロ向けに作られていた器ですが、レストランで使用されている器を見た個人のお客様からの問い合わせが増えたことから、2011年からは一般向けの販売もスタート。

有田にある直営店の他に全国のデパートやショップでの取り扱いがあるほか、コロナ禍前後のネット販売の加速も重なり、今ではオンラインでも、プロと家庭用の垣根を無くした商品展開をされています。

テーブルコーディネートEXPO2024展示「海底から その驚きと感動をAWAにのせて」

やま平窯×福田里美氏によるコラボレーション展示

テーブルコーディネートEXPO2024では、海の底からみた水面のような揺らぎを閉じ込めた「泡」シリーズをメインに、テーブルコーディネーター福田里美氏とのコラボレーション「海底から その驚きと感動をAWAにのせて」を展示されました。

海底を思わせる小物使いや、料理に見立てた演出も「泡-AWA-」シリーズのイメージに合わせて

「泡」シリーズのコンセプトを聞いた福田氏は、深いオーシャンブルーのクロスに泡プレートを合わせる提案をされており、まるでそこは海の中を彷彿とさせる非日常の世界。テーブルコーディネートが器のデザインのストーリーとリンクして、たくさんの方が展示に足を止めていたのが印象的でした。

 

実際にやま平窯の器をイベントで手に取った方の中には「レストランで食事をした際にこのお皿で料理が出てきて、今でも大変印象深く残っています」「この器のファンで愛用しています。少しずつ買い足していこうと思っています」といった方もいらしたということで、人気の高さがうかがえます。

一方で、商品化するためには試行錯誤の連続だったということもお聞きしました。

 

泡の大きさをコントロールするための素材選びやその調合、商品として生産を安定させるための加飾方法のマニュアル作りなど、何通りもの組み合わせや試験を繰り返し、やっと完成した思い入れのある器が私たちの手に届いているというわけです。

 

「磁器は均一性が高く、同じものを量産するには適した素材である一方、どこか冷たさも感じる器です」というのは、代表の山本社長の言葉です。侘び寂びやあたたかみを感じることができ、一つ一つが豊かな表情を持つ有田焼を作りたいと生まれたのが、この泡シリーズなのだそうです。

現在では、泡シリーズにも様々な色、質感の器が展開されています。

同じ技法を用いて作陶しながらも、白ベースのシンプルな器から、柔らかな印象のグレー、大理石のような風格のあるブラックなど、それぞれに異なる個性的な魅力を放っており、これからも進化を続ける泡シリーズには引き続き注目が集まります。

「厚さ1mm」卵の殻のように薄い究極の有田焼

独自の技法で作られており、手に持つと透けて見えるくらいの薄さ

テーブルコーディネートEXPOでもうひとつ注目されていたのが「エッグシェル」シリーズです。

 

1mm以下という薄さで作られる器を実際に手に取ってみると、まずはその軽さに驚きます。マットでふんわりとした柔らかな触感も印象的で、まさにやま平窯の掲げる「驚きと感動を届ける器」を体現するシリーズと言えるのではないでしょうか。

 

その華奢さから、割れやすいのではと心配になりますが、1300度の高温で13時間掛けてしっかりと焼き締められているという製造工程を経て、割れにくさも兼ね備えているのだそうです。

有田焼の器は素地に鉄分を多く含むことから、青味が出るものが多いそうですが、一方でエッグシェルの元となっている透過性を持っている白い陶土は、白色度が高く、釉薬を掛けずに焼成しても吸水性が無いことが特徴です。

 

その陶土を使ったエッグシェル以外の器も展開されており、シミなどによる経年変化が無く、カトラリーなどを使用してもメタルマーク(陶磁器などの表面に金属が接触することでできる、黒や銀色の線状の汚れ)が付かない食器ということで、スタイリッシュで想像力を掻き立てるデザインだけではなく、機能性も兼ね備えた器として注目されています。

左:菊割カバードボウル、右:菊割中空プレート

やま平窯の器は、そのどれもが食卓を豊かにしてくれる器ばかりです。ぜひ一度、手に取ってご覧になってみてください。

 

やま平窯
住所:佐賀県西松浦郡有田町桑古場乙2267-1
TEL:0955-42-2459
HP:https://yamaheigama.co.jp/company
ECサイト:https://yamaheigama.com/
SNS:Instagram
担当コーディネーター

食空間プロデューサー/ FSPJスクール銀座校講師
伊藤 裕美子(YUMIKO ITO)

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