食空間ACADEMYプロデューサーの慈道美奈子です。このACADEMYのコンセプトは、⾷空間の⽂化を創造(Create)する とありますが、「創造=Creation」とはどういった意味あいなのか深掘りしたいと思います。
過去と客観視から生み出す創造力
創造という言葉としては、「新しいものを産み出すこと。創作や発明、あるいは新しい考え方など、オリジナリティの強いものに対し使うこと」が多いそうです。
ですが、果たして本当にそんな空から降ってきたように神秘的なひらめきや発見的な無からの創造というのは存在するのでしょうか。特殊な能力や選ばれた人であれば、成し得る事なのかもしれませんが、少なくとも私のような凡人にはピンときません。
そこで私が考える「創造」についてお伝えすると、昨日と今日と明日とが、ある一貫性のイメージに向かって、一歩づつ近づいていくものではないかと考えます。
非常に地味でパッとしない捉え方かもしれませんが、人は過去の経験によってイメージ出来たものでないと、その先の想像がつかず、新たな創造は生まれないのではないかと思うからです。
現在、食空間ACADEMYでは100年、200年の伝統をもつ企業様や文化を継承するパートナー企業様とご一緒しておりますが、そこでお話を伺って感じる事は、まさに伝統(過去)を大切にし続けながらも、将来を見据えたデザインや、技法、スタンス等に変化・進化させていかれているという事。
社会の変化やニーズ、そして外的な要素によって、新たなものが創造(Create)される機会がやってくる事もあるのだと思いますが、変化はチャンスです。それをどう捉えて、どう創造力に変えていくかは、実はシンプルな客観視にかかっているのではないかと思います。
同じ業界・同じ人・同じ環境の中にいると、物の価値や魅力が薄らぎ、新たな発想やアイデアが出にくくなってくる傾向があるかと思います。ですが、そこに意識や視点を凝り固まらせる事なく、色々な情報や発想、そして世の中の動きのようなものをキャッチする事は、新しい価値やサービスを創造するベースになるのではないでしょうか。
創造を実行に変える力
せっかく良い創造力をもっていたとしても、それを形にする具体的な行動や計画や実行力がないと、頭の中だけで終わってしまいます。
そこで、私が大切だと思うのは、創造をするイメージは「右脳」でしながらも、常にそれを「左脳」で分析しつつ、計画や具体的なアクションに変換し、今日出来る事と、将来的に実現できそうな事等を上手く住み分けて行く必要性です。
ですが、その原動力の根底にあるものは、それらを楽しみ続けるパワーだとも感じております。情熱や愛情を継続的なものにするためにも、絶えず自分を飽きさせず、刺激を与え続ける基礎体力のようなものも、創造を実行に変える力には大切なのではないでしょうか。
FSPJ ACADEMYプロデューサー
慈道 美奈子(MINAKO JIDO)