
フィンランドなどの北欧食器には、名品と言われるデザインが多く存在します。
シンプルな形と北欧ならではの色使いは普段の食卓にもおもてなしのテーブルにもマッチし、長く世界中で愛されています。
今回は、美しさはもちろん、機能性も兼ね備えた北欧の名品カップ&ソーサーをご紹介します。
北欧の暮らしと北欧食器

フィンランドなどの北欧の国々は、コーヒー消費量が世界でも有数なことで知られています。
これは、寒い冬に暖をとるため、また仕事の休憩時間や食後の団らんに…と、1日に何度もコーヒーを飲む習慣があるためと言われています。
そのような文化の中で、北欧食器には名品と言われる長く愛され、親から子へ受け継がれているデザインが多く生まれています。
その中から、フィンランドを代表する陶磁器ブランドARABIAでもっとも知られたデザイナーの1人であるBirger Kaipiainen (ビルガー カイピアイネン)の代表作を2つご紹介します。
美しい色彩の名品カップ&ソーサー

Paratiisi(パラティッシ)シリーズのカップ&ソーサーは、ARABIAで1969年に誕生し、長く愛されている名品です。
フィンランド語で“楽園”を意味するパラティッシには、ヴィオラの花とリンゴやブドウなどのフルーツが鮮やかに美しく描かれています。
3種類あるカラーの中で秋から冬にかけて手に取りたくなるのが“パープル”です。
落ち着いたパープルとグリーンのシックな色合いが、ストーブの前での暖かい食卓に良く合います。
このパープルのシリーズは、2012年にフィンランドの百貨店ストックマンの創業150周年記念に作られた限定カラーでしたが、大変人気が高かったために、後に定番化されました。

こちらはフィンランド語で“日曜日”という意味のSunnuntai(スンヌンタイ)シリーズです。
白地に明るいイエローの花が咲いたような、レトロでもありモダンな印象も受ける美しいデザインです。
イエローの色味が太陽を思わせ、置いてあるだけで暖かみのあるテーブルになります。
元々は1971年から数年のみ製造された貴重なシリーズで、ヴィンテージもかなりの人気がありましたが、
2019年にパラティッシの誕生50周年を記念して復刻されました。
日本の生活にもマッチする優れた機能性
2つのカップ&ソーサーはARABIAの他のシリーズにも採用されている、北欧食器の代名詞とも言えるシンプルな形状です。
このデザインのとても優れたポイントは、カップとソーサーが別々にも使えることです。ソーサーはカップを置くくぼみがなく、柄が全面に入っているためケーキ皿やパン皿としても使えます。
また、シンプルな形のカップはソーサーを使わなくても違和感がなく、飲み物のみならずスープなど食事の場面にもよく似合います。
オーブン・電子レンジや食洗機も使えるので、日本人の普段の生活に求められている機能性と美しさが兼ね備えられている点も特徴です。

おうちで過ごす時間が長くなっている昨今、飲むコーヒーや紅茶などもこだわって選ぶ人が増えているそうです。
そのような場面にお気に入りのカップ&ソーサーがあれば、目でも楽しめるとても贅沢な時間を過ごせるでしょう。
美しい色彩の北欧のカップ&ソーサーは、日々の食空間を明るく彩る存在です。
ぜひ、長く愛用できるお気に入りの1客を見つけてみてください。
画像協力:Scope(スコープ)

FSPJ認定コーディネーター
AYAKO