食空間業界を牽引するパートナー企業様のトップにFSPJ ACADEMYプロデューサーの慈道がインタビューさせて頂く対談企画。
第4弾は富山・高岡市にて錫100%の器を創出し、日本の伝統的工芸品に指定されている高岡銅器の鋳物(いもの)の可能性を広げられた、株式会社能作、能作克治社長にインタビューいたします。
インタビューでは、自社製品の発展のみならず、地域創生、SDGs活動を通じて、伝統的工芸品の魅力を最大限引き出し、世界へ発信していくという 、スケール感のある能作社長の視点までお伺いすることができました。
錫の魅力と人気商品の誕生秘話
富山県高岡市に本社がある能作は、1916年創業の鋳物メーカーであり、錫100%製の「曲がる器」や酒器など、
スタイリッシュなデザインでテーブルコーディネーターからも人気の高い商品を多く取り扱いされていらっしゃいます。
本社社屋は2017年にリニューアルされたそうで、工場見学や鋳物製作体験などのほか(現在は新型コロナウィルス感染症拡大防止のため新規受付休止中)、カフェやショップが併設され、メディアで多数紹介されているそうです。
伝統的な仏具や花器、茶道具といった銅器の生産から自社ブランド商品の開発に至るきっかけや、曲がる器の誕生に至るまでの秘話を伺うと、そのきっかけは、「ユーザーの声」であり、実にシンプルでありながら、生きたマーケティングが重要である、ということがわかります。
そして、自らデザインも手がける能作社長が、どのような観点からデザインを考えられているのかという点にも迫り、人気の高い商品が生まれたプロセスを紐解かせていただきました。
FSPJでは、東京ビッグサイトの企業ブースプロデュースにて、曲がる器「KAGO」をはじめとしたテーブルウェアをご協賛いただきました。
錫を使った製品は、テーブルウェアだけではありません。
本社では、錫を建材としても使用した空間があり、錫を空間で体感することもできるようです。
酸化しづらいという錫の特徴を生かした空間は、伝統工芸品の概念に囚われることのない、自由な発想があってこそではないでしょうか。
技術を支える職人の育成と伝統工芸の発展
デザイン力があってもそれを支える技術がなければ、伝統工芸の発展はなし得ることができないと考えられます。
能作社長へ、職人の育成にどのように力を入れていらっしゃるかを伺うと、人材の育成はもちろんのこと、その工芸品がさらに発展し、売れていくための仕組みにまで思いを巡らせ、お取り組みされているとのこと。
また、国内ではインバウンド消費が伸び悩む昨今においては、海外に向けた商品開発もされていらっしゃり、その国の文化に合わせたものづくりについてもお話を聞くことができました。
地域創生とSDGs活動を通じて日本の「ものづくり」を世界へ
能作では、地域創生の活動として地元の子供達に富山・高岡の魅力を伝えているほか、SDGs活動をホームページにも掲げ、力を入れていらっしゃるそうです。
その理由は、自社製品の魅力を伝えるという視点に留まることなく、日本の伝統工芸を守り世界に向けて発信していくことこそがご自身のミッションだと語られる、能作社長のスケール感のある発想が根底にあることがわかります。
SDGsは「昔から当たり前のことであり、特別なものではない」というお話からも、シンプルな思考こそが世の中を動かす原動力になるという気づきをいただくことができるかと思います。
そして最後には、業界を超えて、日本人がもっと大切にしていくべき指針ともなるメッセージをいただくことができました。
TEL:0766-63-5080(代表) / 0766-63-0001(見学・体験等問合せ)
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画像提供:能作
FSPJ ACADEMYプロデューサー
慈道 美奈子(MINAKO JIDO)