食空間業界を牽引するパートナー企業様やテーブルコーディネーターに支持されるブランドのトップにFSPJ認定講師がインタビューさせていただく対談企画。
第6弾となる今回は、 佐賀県の伊万里鍋島焼 青山窯の川副史郎社長にインタビューいたします。
創業140年近くに渡る歴史や、伝統的な「色鍋島」のみならず、現代のライフスタイルに寄り添うモダンな器が生み出されるプロセスも紐解いてまいります。
あわせて、青山窯のシンボルとも称される煙突や、店内の様子、そして普段はご覧いただけない貴賓室もご案内いただきました。
「伊万里鍋島焼」の特色と青山窯のルーツ
青山窯のルーツは、元々江戸時代に鍋島藩窯が、将軍に献上するための器を作っていたことにあるそうです。
廃藩置県後に民間の窯となり、明治16年(1883年)に青山窯として創業し、創業から約140年を迎える老舗の窯元として、日本磁器の最高峰とも言われている「伊万里鍋島焼」の伝統を守りながらも現代のライフスタイルに合わせた作品作りを進めていらっしゃいます。
伝統と革新、そして未来に技術を引き継ぐために
バブル崩壊以後、伝統産業である焼き物が売れにくい時代が長く続く中で、先代から跡を継いだ川副社長ですが、転機となったのが「2016プロジェクト」だったとのことです。
磁器の誕生から400年を記念して16組の国際的なデザイナーとのコラボレーションによる商品開発を行い、ミラノサローネで発表された一大プロジェクトの裏話もお聞かせくださいました。
また、青山窯の商品の中でも、伝統柄をスタイリッシュにアレンジされた「古紋」シリーズの制作プロセスや、新たな工場を設けて技術を継承するために会社として進めていらっしゃることもご紹介いただいております。
青山窯店内と貴賓室のご紹介
最後に、青山窯の店舗を若おかみの川副貴子様にご案内していただきました。
昭和24年に建てられた漆喰の白壁の先に続く店舗は、日常を豊かにする器から、高級感のある美術品まで数多くの商品を取り揃えていらっしゃるそうです。
また、普段は公開されていない貴賓室では、先々代、先代から受け継ぐ骨董品や古伊万里の器、建築当時からある照明などもご紹介いただきました。
お料理好きな方にも、またテーブルコーディネーター目線でも使いやすく,モダンでスタイリッシュな器の数々を作り続ける青山窯様。
窯元に足を運んでいただき、その風光明媚な伊万里の空気を感じていただくのはもちろん、来年のテーブルウェアフェスティイバルにも出展が決定しているとのことですので、ぜひ一度手にとってご覧になってみてはいかがでしょうか。
食空間プロデューサー/ FSPJスクール銀座校講師
伊藤 裕美子(YUMIKO ITO)