インテリアが人生をより豊かなものへと導く~ マナトレーディング〜
マナトレーディングは、1984年設立以来、心地よさを感じる空間を作り上げるという理念の元、ファブリックスから壁紙、ラグ、照明、モールディングまで多数の海外ブランドを紹介しています。
それと並行して、独自の審美眼から商材を開発したオリジナルコレクションの「マナテックス」を発刊し、幅広い支持を受けています。
FSPJ ACADEMYでは、4年ぶりに改編された「MANAS -TEX VOL.18」と、3回目の改編となる「SATELLITE / OMBRÉ(オンブレ)」の完成発表会を取材させていただきました。
華やかな会場ディスプレイはファブリック使いのお手本
まずは、幅広いアイテムやデザイン縫製を取り扱うマナトレーディング様ならではの魅力満載の会場のディスプレイからご紹介します。
冒頭でご紹介したのは、「エレガンス・フェミニン」と「コンテンポラリー・マスキュリン」を並べたラグジュアリーな世界です。
軽やかなドレープ性のあるレジーナ(左)とペルージャ(右)。ミノッティの椅子とのコラボがクールな印象を与えます。
金箔のようなテンダーを重ね、裏地に赤を効かせて遊び心がプラスされています。(下画像)
こちらは、新しいオリジナルスタイルの変形ストレートバランス(カーテン上部の飾り)で、クラシック過ぎないモダンなスタイルとなっております。
グレー系にピンクのヌーディーカラーを入れたダマスク柄のカーテンには、ジム・トンプソンのゴールドトリムを効かせて意匠性を高めています。
シアーカーテン(薄手で透け感のある生地でできたカーテン)はモカの新色を使い、ランプ・クッション・ラグもコーディネートされた、エレガントでグラマラスなコーナーとなっておりました。
ライフスタイルをより豊かにするオリジナルコレクション
今回発刊された「MANAS -TEX VOL.18」のテーマは【Re-Standard】と【Re-Start】。
今まで培った「上質と洗練」という普遍性はそのままにしつつ、生まれ変わって今の時代にアップデートしました。
例えば、リサイクルファブリックを取り入れる、カラーリングを見直す、などの技術面での進化があげられるとのことです。
また、カタログ表紙には凝ったデザインでコンセプトのメッセージが込められているとのこと。
18を幾何パターンで表現、そして、数字の18のロゴのサークルには意味があり、「マナテックスは時代につれて少しずつファブリックのよさや色をアップデートしてきており、それはらせん状に変化している。ただし、根底は変わっていないので上からみるとそのらせんは円に見える。」という深い解釈によるものだそうです。
表紙の色からわかるように、今回のカラーテーマは「スキンベージュ」・「スキンピンク」です。
トレンドの流れに寄せて、グレイッシュ系からベージュやアイボリーといったニュートラルなヌーディーカラー中心にシフトし、その中にモカ系のトーンが入っています。また、差し色としてはセラドンなどブルー系が特徴となっています。
注目すべきファブリックから一部をご紹介します。
< CLASSIC > Laxury Elegance Authentic
フィリグラン / Filigrane
クラシックなオーナメントモチーフを金細工の透かし模様のように表現し、風通織で上部オーガンジーで上品なモアレ効果が加わっています。環境に配慮し再生ポリエステルを使っています。
※風通織:2枚の織物を重ねて1枚の織物として織った二重織の中で、表と裏に異色の糸を使って交互に織ったもの
< EMBROIDERY> Craft-work Primitive
ヴェルデ / Verde
一見刺繍のように見えますが、つやのあるサテン地に収縮糸を使って葉模様を立体的に表現したジャガード織です。
ナチュラルなベージュ・グレージュ系と深みのあるグリーンXゴールド系の2色展開で、木を使った空間を心地よく演出します。
< SHEER> エンブロイダリーやプリントの軽やかなシアー
スプリング / Spring (左)
春の小花が爽やかな、オーガンジーライクのエンブロイダリーシアー。
優しいカラーのドレープのフロントに重ねると一層可愛らしさが引き立ちます。
シャボン/ Shabon(中)
シャボン玉をイメージしたデジタルプリントで、ドリーミーなファブリックです。
既存色にブルー&グリーン系カラーが仲間入り。ドライなリネンライクなテクスチャで、子供部屋ばかりでなく革のソファにも合うファミリー層向けファブリックです。
リース / Wreath
‘Ten to sen’デザイナー岡理恵子氏とコラボしたオパールプリント。
ラッキーチャームの「青い鳥」と金銀の切り紙細工のモチーフで大人のメルヘンの世界を表現しました。フロントシアーに使うと柄の陰が映ってきれいです。
テキスタイルの世界でも進むSDGs
「SATELLITE / OMBRÉ Nature et Luxe」は、旬(トレンド)を抽出した2018年に誕生したコレクション「SATELLITE(サテライト)」の中のブランドで、3回目の改編となります。
内と外とつなぐシームレスな空間 (IN-BETWEEN )にマッチするよう意識したファブリックが多くあり、マナテックスに比べるとよりニュートラルでナチュラル感のあるシリーズで、シアー系や軽やかな生地が多く収録されています。
昨夏発表のコレクション「ESSENTIALS(エッセンシャル)」も収録されており、“未来のために いまできることから始めよう”をコンセプトとした色と質感にこだわったベーシックな生地を集めています。
リサイクル・ポリエステルやフレンチリネン、オーガニックコットン、そして「FOOD TEXILE」による染色生地など、環境に優しいアイテムを軸にしています。
昨今世界では年間13億トンもの食品が廃棄され、食品廃棄物の増加は世界的な問題となっています。
食品廃棄物を再活用するプロジェクトブランド「FOOD TEXILE」は、様々な食品廃棄物から抽出した染料で生地を染めた素材や商品を提供しているそうです。
抹茶やブルーベリーなどの生産者やコーヒーチェーンなどの企業、生地メーカーとの連携し、食品廃棄の問題に新しい解決方法を提案されているとのこと。
草木染めと同様、自然由来の染料での染色は難しいそう。欲しい色を出すには、分量や染め時間などを調節して試行錯誤しているのだそうです。
そうした取り組みから生まれた「ブリーゼ / Brise」は、軽やかで上質なオーガニックコットンです。この生地との出会いをつきつめていったところ、「FOOD TEXILE」に行き着いたというファブリックで、6色展開でどれも可愛らしい色となっています。
上質なデザインを追求し続けるのみならず、地球環境問題にも取り組まれることで、新たな商品を生み出されている、マナトレーディング様。
ファブリックスの素材感や手触りをリアルに触れることが叶う今、インテリアや食空間コーディネートのインスピレーションを探しに行かれてはいかがでしょうか。
FSPJ認定コーディネーター
白川 えり子(ERIKO SHIRAKAWA)