フィンランドの偉大なガラス・デザイナーの1人であるOiva Toikka(オイバ・トイッカ)は、自然界からインスピレーションを受けた美しいガラス・デザインを生み出しました。
今回は数多くの名品の中から、今も世界中で愛されているガラス食器についてお話します。
フィンランドの巨匠オイバ・トイッカ
オイバ・トイッカオイバ・トイッカ(1931-2019)は、日常のテーブルウェアからアートピースまでその大胆で独創的なデザインが世界的に高く評価されたデザイナーでありアーティストです。
彼が遺した美しいガラス食器の中には、復刻され今も日常の食卓で愛用されているデザインが多くあります。
その中から、フィンランドのガラスメーカーiittala(イッタラ)のKastehelmi(カステヘルミ)、Frutta(フルッタ)、Flora(フローラ) をご紹介します。
自然をモチーフにした美しいデザイン
『カステヘルミ』は、フィンランド語で「露のしずく」という意味です。
一面に大小のしずくが並んでおり、光が当たると本物の露のようにガラスがキラキラ輝くとても美しいデザインです。
陶磁器のコーディネートにカステヘルミのプレートやグラスを合わせると、輝くしずく模様がとても爽やかなアクセントになっています。
最初に生産されたのは1964年ですが、北欧らしいタイムレスなデザインは今も多くの人を魅了しています。
『フルッタ』は「フルーツ」の意味で、イチゴやぶどうやベリーなどたくさんのフルーツが全体にちりばめられたとても可愛らしいデザインが特徴となっております。
マウスブロー(吹きガラス)で作られている形は手によくなじみ、フィンランドの職人の手仕事のぬくもりが感じられます。
テーブルに置いてお水を入れると、フルーツの模様が浮き上がって見えるのが特徴で、
ピンクやアメジストやグリーンなど美しいカラーは、テーブルの差し色にもなります。
1968年頃に短期間のみ生産された後、長い時を経て2017年に復刻され人気のシリーズです。
マウスブローで作られた薄いガラスに、草花の模様が美しい『フローラ』は、1966年に発表されました。
寸胴型のグラスやボウルに、丸や直線で作られたひとつひとつが違うたくさんの花々が並んでいるデザインは、思わずくるくる回しながらずっと見入ってしまうような魅力があります。
大きなボウルはお花や果物を入れると、北欧らしい存在感と暖かみのあるテーブルのセンターピースになります。
また、お部屋のインテリアとして置いておくだけでも素敵です。
日常の食卓を明るく
いずれも個性的なデザインですが、実際に使ってみると日常のテーブルウェアにしっくりなじみながらも、その美しさや可愛らしさで食卓が明るくなるように感じられます。
また洋だけでなく和食や和食器とも相性が良い、そんなところが人気の理由なのではと思います。
ぜひ一度手に取って、オイバ・トイッカデザインの素晴らしさを感じてみてください。
FSPJ認定コーディネーター
AYAKO